リドレーニュース

第3回

2014/05/09 17:30 PM

悪天候によって落車が頻発している第97回ジロ・デ・イタリア。ロット・ベリソルの選手も数名が落車に巻き込まれたものの、メンバー9名全員が無事に2回目の休息日まで走りきった。

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ロット・ベリソルは連日逃げに選手を送り込むとともに、第6ステージでティム・ウェレンス(ベルギー)を2位に送り込んでいる。

 

いつも機嫌良く出走サインを済ませ、スタートしていくアダム・ハンセン(オーストラリア)。第9ステージの序盤に落車して左脚に擦過傷を負ったものの、走りには影響しないほどの軽傷だと言う。第9ステージ後の休息日に、ハンセンに話を聞いた。

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ここまでのステージでは、総合狙いのマキシム・モンフォールをアシストしながら、チャンスがあればアタックして逃げを狙っている。でもなかなかタイミングが合わずにまだ逃げに乗れていないんだ。この先のステージは厳しい山岳コースか真っ平らな平坦コースのどちらかなので、逃げ切りに最適のステージは案外少ない。でも引き続き挑戦を続ける」。

 

休息日でも選手たちはバイクに乗る。ハンセンを含め、ロット・ベリソルの選手たちは数時間の強度の低いトレーニングライドに出かけた。完全にバイクに乗らない日を作ってしまうと、その翌日にリズムを掴めずにコンディションを落としてしまうためだ。8連続グランツール出場中、ならびに2年連続グランツール出場中のハンセンは、3週間の走り方を心得ている。

 

身長183cm・体重75kgのハンセンは、プロトンの中では比較的大柄な部類に入る。しかしそのハンドル幅はかなり狭い。おそらくプロトンの中で最も狭い38cm幅のアルミ製ハンドルを使用している。

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その理由についてハンセンは「確かに他の選手と比べると狭いけど、自分では狭いとは思っていない。昔は幅広のハンドルも使っていたけど、だんだん狭くなっていった。エアロダイナミクスの面でもアドバンテージがある。きっと誰でも使い始めると1週間で慣れると思うよ」と自信満々。

 

「それに、自分の影響で、チームメイトたちも幅の狭いハンドルを使い始めているんだ。このジロには出場していないけど、グレゴリー・ヘンダーソンも38cm幅のハンドルを使っているし、アンドレ・グライペルも42cmから40cmに狭めた。マルセル・シーベルグやユルゲン・ルーランズも同様にサイズを落とした。新しいトレンドを作り出したんだ」とハンセンは笑う。確かに言われてみるとハンセンの前方投影面積は他の選手よりも小さい。

 

もう一つハンセンのバイクの特徴として、クランクアームの長さが挙げられる。カンパニョーロ・スーパーレコードにラインナップされているクランクの中で最も長い180mmだ。

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「昔はもっと長い185mmのクランクも使っていたよ。これもハンドルと同じで、感触が良いので使い続けている」。

 

一般的なオーソドックスとは一線を画したセットアップだが、それでグランツール連続出場記録を打ち立て、スプリントのリードアウトで他を寄せ付けず、山岳ステージもこなし、実際にステージ優勝も飾っている。長い経験から導き出したポジションやセットアップに自信をもっていることが伺える。もしかすると数年後には大勢の選手が幅の狭いハンドルに長いクランクアームを組み合わせているかもしれない。

 

2回目の休息日を終えて、ジロはイタリア北部に舞台を移す。次回お送りするレポートでは、ハンセンも愛用しているヘリウムSLや、スプリンターの相棒ノアFAST、大きく性能がアップしたというTTバイクのディーンFASTについての選手の声をお届けしたいと思います。

 

Report & photo:Kei Tsuji

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