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ツール現地レポート第3弾

2018/07/24 10:23 AM

まさにサバイバルレース!今年のツール・ド・フランスは2週目を終えた時点で約15% (合計26名)の選手がリタイアするという異例のサバイバルレースになっています。

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ロット・スーダルも然りで、スタートした8名のうちレースに残っているのは4名。

厳しい戦いが強いられていますが、逃げの専門家トーマス・デヘントが連日逃げに乗るなど、レースの盛り上げに一役買っています。

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スイスのジュネーブに近いアヌシーで休息日を迎えた選手たちは、第10ステージから3日連続で厳しいアルプスの山岳コースにアタック。山岳ステージでエースを担う予定だったティシュ・ベノート(ベルギー)がリタイアしてしまったため、ロット・スーダルはデヘントを中心に逃げを狙いましたが苦戦を強いられてしまいます。

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スプリンターのアンドレ・グライペル(ドイツ)は多くのスプリンターがリタイアを強いられた第11ステージを制限時間内にフィニッシュしたものの、続く第12ステージで序盤の超級山岳マドレーヌ峠でメイン集団から脱落。

スプリンターたちとともにグルペット内で名物ラルプデュエズに向かいましたが、相棒マルセル・シーベルグ(ドイツ)とともにステージ中盤にリタイアを決めています。

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「ここ数日間と同様に今日はとてつもなくハードだった。最初の登りさえ集団内でクリアできていれば完走できていたと思う。でも序盤からハイペースだったので、集団から脱落してしまい、その時点で今年のツールは終わったと思った」と、リタイアという結果に終わった第12ステージを振り返ります。

またグライペルは「中にはチームカーに(ボトルを受け取るフリをして)掴まって峠を乗り越えたスプリンターもいるけど、自分の力でフィニッシュにたどり着けないのであれば自分はリタイアを選ぶ。公平なスポーツマンとしてあるべき選択をしたので後悔はしていない」と、ベテランならではのコメントを残しています。

第12ステージでは実に9名がリタイア。例年以上に厳しいコースレイアウトがサバイバルレースを演出しており、ロット・スーダルのメンバーはスタート時の半分の4名にまで絞られてしまっています。

それでもレースは続きます。アルプスを脱出した第13ステージでデヘントは逃げに乗りますが、結果的にはメイン集団に吸収されてしまいます。それまでグライペルの発射台役を担っていたジャスパー・デブイスト(ベルギー)が集団スプリントでステージ18位。

そしてデヘントは第14ステージで再びエスケープ。合計32名で構成されたいわゆる「勝ち逃げ」にデヘントが乗り、ステージ優勝に向けて駒を進めました。

「総合成績に関係のない選手で構成された逃げ集団だったので、メイン集団は追ってこなかった。その時点でステージ優勝は逃げ集団の中から生まれることは明らか。でもメンバーを何人も逃げに乗せたチームに対し、自分1人で戦うのは良い状況とは言えなかった。だから先手を打って何度もアタックしたけど逃げ集団はバラけず。最後の登りで先行したジャスパー・ストゥイヴェンを追いかけるためにアタックしたけど、単純な登坂力勝負ではライバルたちに歯が立たなかった」と語るデヘントはステージ10位でフィニッシュしています。

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「アルプスの山岳ステージを乗り越えてから調子は上向き。ツールの最終週は力とモチベーションを残したものだけが勝負に加わることができる。いつも自分が力を発揮するのはグランツールの最終週であり、どのステージが自分向きかをしっかり見極めて攻撃を仕掛けたい」と、デヘントは力強いコメントを残しています。

逃げに興味を示しているのはデヘントだけではありません。2017年ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ2勝を飾ったトーマス・マルチンスキー(ポーランド)も逃げたい選手の一人です。「大きな逃げ集団に乗ってステージ優勝を狙いたい。そう思っているのはロット・スーダルだけではなく、総合争いで苦戦しているすべてのチームがそう思っている。トーマス・デヘントに続いて、自分もしっかり逃げに乗りたい」と、落車の影響で前半ステージを苦しみながら走っていたマルチンスキーは復活した様子。

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どのチームも消耗した状態で迎えるツール最終週。休息日明けの第16ステージは早速ピレネーの厳しい峠道が待っています。

©レポート&写真 辻啓