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第4回:ジロは険しい北イタリアの山へ

2016/05/24 12:04 PM

ジロ・デ・イタリアは本格的な山岳地帯に突入。数少ないチャンスをものにしたロット・ソウダルアンドレ・グライペル(ドイツ)や、ステージ2勝目と山岳賞を狙うティム・ウェレンス(ベルギー)の積極的な走りが光ったジロ2週目を振り返ります。

イタリア中部のトスカーナ州でジロ2週目はスタート。3週間という長丁場のためグランツール(ジロ、ツール、ブエルタ)ではファーストアタックと呼ばれるスタート直後のアタックが決まる場合が多いが、今年のジロはどうにもアタックが決まりにくい。猛烈なスピードでアタック合戦が繰り広げられた結果、山岳賞争いにおけるウェレンスのライバルであるダミアーノ・クネゴ(イタリア)が第10ステージでエスケープ。「あくまでも山岳賞ではなくステージ優勝狙い」というウェレンスはマリアアッズーラ(山岳賞ジャージ)をクネゴに明け渡す結果となった。

冷たい雨に見舞われた第12ステージは今大会最も平坦ともいうべきコースレイアウトで、スプリンターにとっては貴重なチャンス。厳しいジロで次々にスプリンターが姿を消す中、マリアロッサ(ポイント賞ジャージ)を着るグライペルが奮起した。

イタリア北部のヴェネト州を走る平坦コースでロット・ソウダルは長時間メイン集団を牽引し、逃げを捕まえてスプリント勝負に持ち込む。「チームメンバーが全員揃った状態で最終周回を迎える作戦だった」というグライペルの言葉通り、赤いロットジャージが完全に集団先頭を固めてフィニッシュ地点ビビオーネの周回コースに入る。ロット・ソウダルは他チームに付け入る隙を与えないリードアウトを見せ、主導権を握ったままグライペルをフィニッシュラインに向けて発射した。

「ユルゲン・ルーランズのリードアウトは素晴らしく、彼と少し距離が開いてしまうほどだったけど、脚の調子はとても良かった。そのまま良い位置で上手くスプリントに持ち込んだ」というグライペルが追いすがるカレイブ・ユアン(オーストラリア)をパワーに満ちた加速で振り切って勝利。チームジャージやチームバイクにマッチした真っ赤なマリアロッサのグライペルが大きく両手を広げた。

今大会で唯一となるステージ3勝目(チームとしてステージ4勝目)を飾ったグライペルはポイント賞ランキングでトップを快走。しかし開幕前から予定していた通り、グライペルはこの第12ステージをもってジロをリタイアすることを明らかにした。

「このジロでは十分に目標が達成された。マリアロッサを着てジロを去るのは残念だが、この先のステージは総合系の選手が活躍する山岳ばかり。長いシーズンで他にも目標とするレースがあるので今は休息が必要だ」と記者会見でグライペルはコメント。短い休養を経てグライペルはツール・ド・ルクセンブルクで復帰し、その後ツール・ド・フランスに出場する。さらにグライペルは「10月までトップコンディションをキープしている必要がある」と語っており、スプリンター向きと言われるカタールでのロード世界選手権でのアルカンシェル獲得に意欲を見せている。

スロベニアと国境を接するフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州の急勾配な山岳を走る第13ステージで再び動いたのはステージ2勝目を狙うウェレンス。序盤からのアタック合戦に加わったものの、決定的な逃げには乗れなかった。ウェレンスは総合エースのマキシム・モンフォール(ベルギー)をアシスト後、次なるチャンスに向けて力を温存するためにペースを落としてフィニッシュした。

獲得標高差が5400mを超える今大会最難関の第14ステージで、総合ジャンプアップを狙う総合20位のモンフォールが逃げに乗った。ドロミティと呼ばれる険しい山岳地帯を走る210kmコースでモンフォールは逃げ続け、最終的に総合上位陣にパスされながらも18位フィニッシュ。狙い通り総合15位に浮上している。第15ステージの山岳タイムトライアルを終えた時点でモンフォールは総合16位。昨年の総合11位という成績を視野に入れてモンフォールは最終週に挑む。

登りっぱなしの山岳タイムトライアルでは各選手ともに極限まで軽量化したノーマルのロードバイクを使用。グランツール連続出場中で、観客を盛り上げることを忘れないアダム・ハンセン(オーストラリア)は「観客からビールを奪う」というお家芸を披露し、奪ったビール缶をボトルケージに入れてフィニッシュしている(飲んではいない)。

DHバーを装着したヘリウムSLで気迫の走りを見せたウェレンスはステージ17位レースを終えた。ベルギーの次世代オールラウンダーとして注目を集めるウェレンスは最終週のアルプスステージでの逃げを虎視眈々と狙っている。最終週はモンフォールの総合成績とウェレンスの山岳逃げ、そして「どこかで仕掛けたい」というハンセンのスピードを生かしたアタックに注目だ。

 

『フォトギャラリー:ジロ・デ・イタリア 第10-15ステージ』

第11ステージ:ヴェネト州でのスタート

第11ステージ:アーゾロの旧市街を通過する

第12ステージ:ノアーレの街にて。ノアSLとピム・リヒハルト。

第12ステージ:集団をコントロールするロット・ソウダル

第12ステージ:遊園地とロット・ソウダルトレイン

第14ステージ:2級山岳セッラ峠

第14ステージ:3級山岳ガルデーナ峠

第15ステージ:山岳とフェニックスSLとピム

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