2つの島とイタリア本土をめぐるジロ・デ・イタリアは移動の連続。いかにトラブルなく移動をこなし、万全の状態でレースに挑めるかがパフォーマンスに大きく響きます。チームバス、メカニックトラック、チームカー、チームバンの車列が連日イタリアを旅しており、ジロ期間中の走行距離は6,000キロに達することも。ほとんどの車両がベルギーからイタリアまで自走しているため、往復の距離を合わせると実に1万キロ近くになります。
開幕地サルデーニャ島から選手たちは空路で1時間かけて、スタッフや車両はフェリーで12時間かけて辿り着いたシチリア島。第4ステージはヨーロッパ最大の活火山として知られるエトナ火山にフィニッシュする難関山岳コースで、ロット・ソウダルの総合エースを担うマキシム・モンフォールはステージ35位に沈んで苦しい展開に。
「休息日明けでリズムを崩してしまい、タイムロスを抑える走りに徹するしかなかった。まだジロは始まったばかりであり、2分のタイムロスは悲劇的とは言えない」と気持ちを切り替えています。
シチリア島2日目の第5ステージは大集団のスプリントに。市街地の危険な周回コースでどのチームもリードアウトを組めない中、マリアチクラミーノ(ポイント賞ジャージ)を着るアンドレ・グライペルが勝負に絡んで4位。
グライペルは第7ステージでも4位に入る安定感を見せ、ポイント賞では3位につけています。ステージ優勝経験が豊富のため、イタリア国内での認知度が他のスプリンターよりもずっと高いグライペル。「ゴリラ」の愛称がすっかり定着したグライペルのチャンスは第12ステージまでお預けとなります。
ジロ前半戦最大の山場である1級山岳ブロックハウスでは、いざ勝負が始まるというタイミングで停車していた警察バイクとの接触で大落車が発生。マリアローザ候補のビッグネームを含む多くの選手が落車する波乱の展開で、チームメイトの力を得て位置取りしていたモンフォールも足止めをくらってしまいましたが、それでも最終的にはステージ27位まで順位を上げてフィニッシュ。
本人が「残念ながら登り口の落車で前をふさがれてストップ。そこから必死に追走したけど集団には追いつけなかった。他の有力選手のように酷い落車に巻き込まれなかったことは不幸中の幸い。懸命に自分のペースを崩さずに追走した結果、総合20位以内に浮上することもできた」と振り返る通り、総合19位まで順位を上げることに成功しました。これは出場するベルギー人選手の中で最高位であり、ベルギーチームとして面目を保った形です。
ここまでトーマス・マルチンスキーやジャスパー・デブイストが逃げに乗っていますが、まだ逃げ切りは果たせていません。
ロット・ソウダルを代表する「逃げ屋」アダム・ハンセンはこの先のステージでの逃げを狙っている様子。ハンセンは「すべてが順調」と笑顔を見せ、第9ステージのブロックハウスでは苦しい表情の選手に交じって一人笑顔でいつものピースサイン。
17回連続出場中のグランツールを楽しんでいる姿を見せています。
第4~9ステージの写真集
シチリア島の美しい海岸線
チェファルーの旧市街を抜けてスタートサインに向かう
シチリア島を駆け抜ける選手達
ライバルの勝利を称えるグライペル
石造りのカラヴィッラ橋を通過する集団
誕生日のハンセンがピースサイン
集団ダウンヒル
チームバスにはジロマスコットのルポ ウルフィー
メカニックがオーバーホールする
TTバイクが出番を待つ
Go Go Lotto Soudal !!